余命宣告を受けた父と子が望むお別れ実現のために最も大切なのは事前に葬儀社に事前に相談することだった。

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友人から聴いた体験です。

これは、私の親しい友人から聴いた体験をもとに書いています。(父)(母)という表記は友人の両親を指しています。

父が余命宣告を受けた。

先ずはそれを本人に伝えるべきなのか?それとも家族だけでそのことをとどめておくのか?そのどちらが良いのか?に迷いが生じるだろう。

 

そのどちらが正しいか?はその病気と向き合う本人にしか分からないため通常であれば、病院での問診票(カウンセリングシート)に本人告知の有無みたいなものがあればそれを採用していくことになるのだろう。

 

父は人の世話にならないと言う

父親は自分の世話をしてもらうなんてこと、想像しただけで屈辱的に感じている。そういった場合、病院への入院や緩和ケアへの入院を望まない、そうなると家族への負担が大きくなるのは当然である。が、家族で相談して姉弟は順番に世話をすることとなった。

 

世話になりたくない父は、自分の最期を決めている。

人の世話になりたくないという父は、子供に介護してもらうことは介護士よりましだと思うのだろうか?父親にとって子供は人のうちに入らないのかもしれない。

参考までに、自宅療養が長期化する場合は、どうしても外部からの手助け無くしては家族が崩壊してしまう恐れもあるので自宅での看取りにはある程度覚悟がいると思った方がいいだろう。

 

父の最期は願い通り自宅だった。

自宅での看取りを経験した家族にとって最後の時は突然のお別れの場合より心が穏やかであることが多い。それは、家族が日に日に出来ることが少なくなっていく姿や弱くなっていく姿を目で見て確認しながら共に準備をしていくからなのだろう。

 

人の世話になりたくない父の希望

お葬儀について、残されていた言葉はシンプルなものだった。

◎遺影写真はこれをお願いします

◎生前中お寺さんとのお付き合いもないため無宗教でお願いします

◎馴染みのお料理屋さんからお料理を取ってください

◎お料理を囲んで会話をすることでお別れにしたいです。

 

遺された家族の選択

葬儀屋さんに上記のことを相談した上、了解をもらった家族は『一日葬』を選択

一日葬とは? お通夜を執り行わず、告別式当日のみ宗教儀礼を行う式の事

 

葬儀屋さんではできないこと

多くの葬儀屋さんは、これまでの型にはまった宗教儀礼を中心として式典を創造しそれを基本として提案してくることだろう。

例えば今回のケースのように、お通夜を望んでおらず、告別式前夜を馴染みの料理屋さんのお料理を囲み談話をすること、このような願いを告知する案内文を持ち合わせていないのである。 が、お葬儀そのものは本来ご家族の手によって願うものを実現されたら、送られる側、送る側双方に納得のいくお別れになると思われるのです。

葬儀屋さんが出来なければどうするのか? まるでイベント案内を作成するようにご家族で案内文を作成してしまったらいいのです。

今回の場合は、スタート時間と服装(平服でどうぞ)のみが決まり事で後は参加される方の自由に任せたそうです。

 

遺された母の願い

宗教儀礼を望まなかった父ではあったが、母はそれでは心の区切りがつかないと当日だけに対応してくれるお寺さまを依頼した。特に法話があったわけでもなく、特別な何かがあったわけではないが、やはりこれは家族にとっての一つの区切りとなった。

 

葬儀社さんの力

自由度が高いお別れの場合、最期の区切りはなかなかつきにくいものである。ここで

『出棺の時間がきました』と締めの空気を運んでくるのはやはり葬儀社の役割であると思う。

こちらからは、葬儀会社を経営している私の願いを綴っています。

お別れの形は様々であり、時代と共に変わってきています。

コロナ前に比べて、対外的なお付き合いを重視するのではなく、生前中に深いご縁があった方での見送りを希望するスタイルが増えました。

これらのお別れの時間は、決して大袈裟で大がかりなものではなく、それぞれが穏やかにゆったりと時間を過ごすことを最優先したお別れの形と言えます。

 

こういったお式を実現するために、お伝えしたいことは

 

希望するお式、何となく思っているこんな形 それらを葬儀社に話してみる事です。

事前に相談すること、そのカウンセリングは無料です。大切な人が生きているその同じ時間で相談することをよろしく思わない人は多いのが実際です。が、相談することのメリットは最後のお別れまでの残された時間を慌てることなく進めていくこと、そしてその願った形は矢継ぎ早に決める事なく進めることで、無駄な支払いを抑える事ではないでしょうか?

 

 

ここでお話しすること、私が今日感じた些細なことや、どうでも良いことを綴っています。この記事の発言は、私個人の見解に基づくもので、所属組織を代表するものではありません。

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この記事を書いた人

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加藤 京子

愛知県 稲沢市の葬儀社で生まれ3代目としてお葬儀の仕事に従事して25年になります。私が最も心がけているのは『皆様の生きるを応援すること』です。良いお葬儀とは何か?皆さまに寄り添いお手伝いしています。