お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった あなたの心に起きている自然な反応と向き合い方

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大切な人を失った直後、お葬式の準備や手続きに追われて、まるで自分の感情が麻痺したような状態になることがあります。しかし、すべてが終わって日常に戻ろうとした時、想像以上の深い悲しみに襲われて戸惑う方は少なくありません。

「お葬式の時はしっかりしていたのに、なぜ今になってこんなに辛いのだろう」「みんなの前では泣けなかったのに、一人になると涙が止まらない」そんな経験をされている方に向けて、この感情の正体と向き合い方についてお伝えします。

なぜお葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったのか?心の仕組みを理解する

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じるのは、決して異常なことではありません。これには心理学的な理由があります。

ショック状態から現実受容への移行

人は大きな喪失を経験すると、最初は心理的なショック状態に陥ります。この状態では、脳が現実を受け入れることを一時的に拒否し、感情が麻痺したような状態になることがあります。お葬式の間、あなたが「しっかりしていた」のは、この自然な防御反応によるものかもしれません。

忙しさという逃避からの解放

お葬式の準備期間中は、葬儀社との打ち合わせ、参列者への連絡、必要書類の準備など、やるべきことが山積みです。この忙しさが、実は悲しみと向き合うことを一時的に回避させてくれていたのです。

すべてが終わって静寂が訪れた時、初めて失った現実と正面から向き合うことになります。だからこそ、お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じるのです。

社会的役割からの解放

葬儀の間、あなたは「喪主」や「遺族」として、参列者に対応し、しっかりとした姿を見せる必要がありました。しかし、一人になった時、その社会的な役割から解放され、本来の感情が溢れ出てくるのは自然なことです。

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった時に現れる具体的な症状

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという状況では、以下のような症状が現れることがあります。

感情的な症状

  • 突然涙が止まらなくなる
  • 怒りや罪悪感が込み上げる
  • 無力感や絶望感に襲われる
  • 故人への想いが込み上げて胸が苦しくなる

身体的な症状

  • 食欲がない、または過食になる
  • 眠れない、または過度に眠ってしまう
  • 疲労感が抜けない
  • 頭痛や肩こりなどの身体症状

行動的な変化

  • 人と会うのが億劫になる
  • 故人の部屋や持ち物を見ることができない
  • 日常的な活動に集中できない
  • 故人との思い出の場所を避けるようになる

これらの症状は、グリーフ(悲嘆)反応と呼ばれる正常な心の働きです。お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じているあなたの心は、大切な人を失った現実と懸命に向き合おうとしているのです。

 

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった経験を持つ人の共通点

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験をする人には、いくつかの共通点があります。

責任感が強い人

葬儀の段取りや遺族としての対応に全力で取り組む責任感の強い方ほど、後から大きな反動を経験することがあります。「みんなのためにしっかりしなければ」という思いが強いほど、本来の感情を抑え込んでしまうからです。

故人との関係が深かった人

配偶者、親、子どもなど、日常的に深い関わりを持っていた方は、お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じやすい傾向があります。日々の生活の中で、故人の不在を痛感する場面が多いためです。

感情表現が苦手な人

普段から自分の感情を表に出すことが苦手な方は、葬儀中も感情を内に秘めがちです。そのため、静かになった時に蓄積された感情が一気に溢れ出ることがあります。

周囲への配慮を優先する人

「他の人も悲しんでいるから」「みんなの前で泣くわけにはいかない」と周囲への配慮を優先する方も、お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験をしやすいといえます。

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった時の適切な対処法

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じている時、以下の対処法が役立ちます。

感情を受け入れる

まず大切なのは、今の感情を否定せずに受け入れることです。「こんなに悲しくなるなんておかしい」と自分を責める必要はありません。お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験は、愛する人を失った自然な反応なのです。

適度な休息を取る

心身ともに疲れ切っている状態では、感情のコントロールが困難になります。十分な睡眠と栄養を取り、無理をせずに過ごすことが重要です。

信頼できる人に話す

一人で抱え込まず、信頼できる家族や友人に今の気持ちを話してみましょう。「お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった」という体験を共有することで、心の負担が軽くなることがあります。

専門家のサポートを求める

悲しみが長期間続いたり、日常生活に大きな支障をきたしたりする場合は、カウンセラーや心理士などの専門家に相談することも検討してください。グリーフカウンセリングは、このような状況に特化したサポートを提供しています。

故人との新しい関係性を築く

故人は物理的にはいなくなりましたが、心の中では永遠に生き続けます。写真を見ながら話しかけたり、故人が好きだった音楽を聴いたり、新しい形での関係性を築いていくことも大切です。

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった体験から立ち直るまでの過程

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験から立ち直るまでには、一般的に以下のような過程があります。

否認の段階

「これは現実じゃない」「きっと夢だ」と現実を受け入れることを拒否する段階です。お葬式中にこの状態だった方が、後から現実受容の段階に入ることで、より深い悲しみを体験することになります。

怒りの段階

「なぜこんなことが起きたのか」「もっと早く病院に行けばよかった」など、怒りや後悔の感情が込み上げる段階です。

取引の段階

「もし○○していれば結果は違っていたかもしれない」など、現実を変えようとする心の働きが現れます。

抑うつの段階

深い悲しみや絶望感に支配される段階です。お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったと感じる多くの方がこの段階にいます。

受容の段階

故人の死を現実として受け入れ、新しい生活に向けて歩み始める段階です。

これらの段階は順番通りに進むとは限らず、行ったり来たりすることも珍しくありません。大切なのは、どの段階にいても自分を責めないことです。

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなった方へ – 希望を見つけるために

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験をされているあなたへ、最後に希望のメッセージをお伝えしたいと思います。

悲しみは愛の証

今あなたが感じている深い悲しみは、故人への深い愛の証です。愛が深いほど、失った時の悲しみも深くなります。この悲しみを感じることができるあなたは、それだけ豊かな愛を持っていたということなのです。

時間は最良の癒し手

「時間が解決する」という言葉を軽々しく言うつもりはありませんが、時間の経過とともに、激しい痛みは少しずつ和らいでいきます。完全に消えることはないかもしれませんが、日常生活を送れるようになり、時には笑顔を取り戻せる日が必ず来ます。

故人の想いを生きる力に

故人があなたに望んでいたのは、きっとあなたの幸せです。深い悲しみの中にいる今は想像できないかもしれませんが、いつか故人の分まで精一杯生きることで、新しい形で故人とのつながりを感じられるようになるでしょう。

あなたは一人じゃない

お葬式が終わった後の方が悲しみが深くなったという体験をしているのは、あなただけではありません。多くの人が同じような道のりを歩み、そして希望を見つけています。困った時は一人で抱え込まず、周囲の人や専門家のサポートを求めてください。

今は辛い時期かもしれませんが、この経験があなたをより深く、より優しい人間にしてくれるはずです。故人があなたに残してくれた愛を胸に、一歩ずつ前に進んでいきましょう。あなたの中で、故人は永遠に生き続けているのですから。

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“結んだこころ”に寄り添う葬儀を。稲沢市・一宮市・清須市のの【かとう】セルカホールです。

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この記事を書いた人

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加藤 京子

愛知県 稲沢市の葬儀社で生まれ3代目としてお葬儀の仕事に従事して25年になります。私が最も心がけているのは『皆様の生きるを応援すること』です。良いお葬儀とは何か?皆さまに寄り添いお手伝いしています。