昨日お話した『ありがとう納棺』のお話の続きです。
お孫さんに、素敵な死に化粧で整えていただき旅立ちの準備をしたあのおばあ様の旅立ちの日のお話です。
お葬儀の朝。その日はとても清々しい晴れの日でした。
いい日になったな、ばあさんは晴れ女だったからな….
と少し嬉しそう。
お葬儀にしても結婚式にしても、やはりお天気が良いことに越したことはない。
それは、参列される方のことを思ってもそうですし、出棺を迎える時の皆様の移動時の手間を思ってもそうでしょう。
あの日、朝からとってもお天気だったし、天気予報でも晴れのマークでした。
それが、出棺のその瞬間、太陽の下から突然降りだした雨。
おじい様はいいました。
キツネの嫁入りだな、 婆さんも一緒に嫁にいくつもりかいな?!わしは、まんだここおるのにな?!
ばあさん、もう少し待っとってくれよ、
わしは、もう少し孫と楽しみたいでよ~。
そ~はよぅ 迎えにこんでいいでなも。」
その日のお天気雨は、ご遺族の皆さまにとって とても特別な雨となりました。
お葬式の日、その日がたとえ大雨だとしても、悲しみの涙雨のように映るのかもしれない。
どんな日も不思議と相応しい日になっていく。
人には、記憶を美しく書き換える偉大な力が備わっている。
悲しみと向き合う時、その痛みや悲しみを癒すものは『時間薬』その過ぎていく時間の中で描く新しいストーリーが、心に思い出として残されていく。