夕飯の片付けをしていたら、娘が涙声で何か言いながら,
階段を駆け降りてきた。
あまりに予想しない出来事に、私は何か大変なことが起こったんだんだろうと身構えた。
洗っていた茶碗をその場に置き、急いで娘に近寄った。
『どうしたの?』
まだ事情がよく飲み込めない私。
だが、娘の顔見たとき、少しだけほっとした。
娘は泣いてはいるのだが、どうもうれし涙のようなのだ。
『ママ、IB卒業できたよ。それも、自分が思ってるより良い成績でね、
不安だったから、こっそり1人で結果を見たの。』
世界共通の教育プログラムです。答えのない問題を自分なりの考えで解いていくプログラムです。
これまで、何度も結果を確認していた私。
その度に娘は、結果が出るのいつかわからない、とそっけない返事だった。
嬉し涙を流す娘の周りに家族が全員集合した。
その時点では、私もそのうれし涙につられこっそり涙を溜めていた。
幼い時、私はどちらかと言うと、よく泣くた子供だった と記憶している。
思い通りにならないと泣いて、叱られたら泣いて、数々の泣きの思い出はたくさんあるが、
嬉しくて泣いた記憶なんて思い出せない。
生きている中で人は、何度嬉しすぎて涙が出るなんてことに出会うんだろう。
IBプログラムは、もともと英語力が高いわけではなかった、普通の高校生活を送っていた娘にとってかなりのチャレンジだったんだと思う。
16歳、単身でマレーシアに渡り、
寮生活に苦しみ、
友人との関係に悩み、
自分の考えを述べましょうと言う新しい文化に奮闘し、
迷い苦しみながらきたここまでの日々。
そんな日々が愛おしくて泣けるんだろう。
そして、頑張りぬいた自分に最高のうれしさを感じているのだろう。
マレーシアの学校選び。最初の2つの学校は、
私の情報をもとに選んだ学校。
3回の転校を繰り返し、最後に選んだ今の学校は、
娘が自分で情報収集して選んだ学校だった。
編入試験では、試験官が英語力に関して心配する状況下で、
自分がこの学校に相応しいこと
そして自分がこの学校で,
どれほど成長するかを自信満々に語っていた娘。
自分で決めた道は、やはり潜在能力を開花させ成長を加速する。
『ママどうしたらいい?』
こんな風に私に聞く回数はどんどん減っていき、
自分の決めた道を勝手に、力強く進んでいくんだろうなぁ。
今日は、7月7日は,
次のステージとなる大学の入学試験日のようだ。
現在、オーストリアの大学に希望を出している。
コロナの影響で、オーストリアに入国ができないままなので、オンラインで試験を受ける娘。
今回も、ちょっと高いハードルを設定したようだ。
もちろん結果が伴うことが一番だ。が、そこに行こうと思った自分の決断を忘れないでいて欲しい。
自分の信じた道を歩くという、自分の人生に対する責任がきっと、最高の結果につながる唯一の方法だと私は思うから。