あるきっかけから、創業者の想いについて知る、という機会をいただいた。創業者である、祖父は、すでに他界しているので、私が探ることができるのは、父と母に話を聴くことが一番手っ取り早いと思ってはいた。
親に質問する
そう思っていても、なかなか面と向かって話を聴くことは簡単ではない。おまけに私の父は放浪癖(寅さんに憧れがある)があり、ゆっくりとした時間を過ごすのもなかなか大変なのだ。
今朝、たまたま父がひょこり我が家を訪れた。
こんな良い機会はないと、気恥ずかしい自分の思いを抑えながら、
『ちょっと色々聴かせて欲しいのだけれど….。』とスタートした。
きっと、父は何事だろう?と思ったことだろう。
我が家の長椅子に腰を下ろして、私が話を切り出すのを待っていた。
『そもそもどうして、葬儀屋さんになったの?』
昔を回想しだした父。話が進みだすと、様々な苦労が浮かんだのだろうか?それとも昔を愛おしんでいるのだろうか?
何となく、目が潤んでいるようにも見える。
『ちょっと待ってて!』
おじいさんの話を孫か聞く
私は急いで、子供たちを呼び、テーブルにつかせた。
孫が参加したことで、父の気持ちはきっと、大きくなったのだろう。
誰だって、自分のことを話すことって気持ちの良いものだ。
様々な苦労を話しながら、どんどんと武勇伝になっていく。
一つ一つの言葉には、彼が生きてきた中で大切に思ってきたことがたたくさん散りばめられている。
父の本音
そして、意外にもかなりの劣等感を抱えながら生きてきた父に初めて出会うこととなった私。
その劣等感と立ち向かうことが、自分の個性、得意としてきたもの(踊りやバイク)を仕事に活かすことに繋がったのだと知り、心が晴れるような気持がした。
後半は、私に語りかけるより多くの言葉を孫たちに送っていた。
『時代はどうなっていくかわからない。でも健康なら何だってできる。病気になるのも、ほとんどが気持ちが持っていかれていることによって悪化するんだよ。おじいちゃんの時代みたいに、勉強することさえ大変な時代ではないよね、ま~おじちゃんは勉強嫌いだったんだけど、、、あなたたちは、たくさん学ぶこともできるよね。とにかく、自分の個性を大切に活かしていって欲しいんだよね。おじいちゃんは。』
今あるすべては、その背景が創りあげるものである。
父の言葉一つ一つによって、私が感じた何かと子供たちが感じた何かは違うだろう。
今日、同じテーブルに座り、こんなにもゆっくりと父の話を聴けたこと。これは凄いことだと感じている。
あなたは、どれくらいあなたの親のこと知っていますか?
あなたの想像している親は、実はほんの一部分にしか過ぎないのかもしれませんよ。