涙もろくなった父
2日前、娘たちは実家の祖父母のもととへ、マレーシアに戻る報告、この5か月の間、実家(祖父母)にとてもお世話になったお礼を伝えに行った。
子供たちが戻ってくると、
おじいちゃん、泣くんだよ。それも号泣だよ。『寂しくなる』ってね。私たちも悲しくなったわ。
そうなのね。あなたたちにはまだわからないけれど、おじいちゃんぐらいの年齢になると、この先の何十年が当たり前じゃなくなるのよね。だから、やっぱり色々な『もしも』も想像するんだと思うんだ。
年を取ると涙もろくなる。こんなことはよく聞くことだし、実際に私もそうだ。
年をとっていくことは、経験を重ねることで、自分の経験をもとに様々な創造力を働かせることを容易にするからだろうな。だから目の前の些細な事にでも、目頭を熱くするのだと思っていた私。
涙もろくなる本当の理由は『あれ』だった
『ドラマ見てなけちゃった』
『動物の親子の可愛い姿に涙した』
年を重ねていくことは感受性が豊かになることなのよね。と信じていた私。
実は、脳の変化がその原因だったのです。
大脳の中枢の機能低下によるものなのです。
「背外側前頭前野」と呼ばれる部位が脳全体の司令塔となり、記憶や学習、行動や感情を制御しているらしい。
この部位が担っている感情の抑制機能が低下したから起こるのが『涙もろくなる』だったのだ。
いわゆる『老化現象』によるものだったのだ。
老化現象だって利用してしまおう
老化現象で起こる『涙』だとしても、おじいちゃんの涙は特別な意味となったようだ。
おじいちゃんと自分たちの時間には限りがあることを強く強く意識した娘たち。出来る瞬間、やれることを大切に、おじいちゃんとの時を特別なものにしていこうとしている。
私が、今の子供の年齢だったあの頃。海外に行き、チャレンジをし続けたあの頃だって、父が泣くなんてことはなかった。
父と私の時間も確実に短くなってきていると認めるしかないのだろう。
私にとっても、この事はショックな出来事でもあった。
終わりを知ることで得る『今』の尊さ
娘を通じて、私も『当たり前』ではないものを再確認した。
もっと、たくさんの話を聴こう。
もっと、たくさんの話をしよう。
特別な何かをすることよりも、日々生きる中でもっと父の事、母の事を知ってみたいと感じた。
50歳の最高の誕生日
さて、私の50歳の誕生日の日にマレーシアに旅立った娘19歳と16歳。無事にイミグレーションでPCR検査を受け、3時間という長い時間を経て無事に入国スタンプを頂けた。
ここから、2週間の隔離生活に入るわけだが、政府が指定したホテルは4星ホテルだったと、娘は喜んでおり一安心。
そして、多くの友人からメッセージとプレゼントを受け取った。
Facebookは過去の全てを現在とつなげるツールだとあらためて実感した。
日本の全国、イギリス、ドイツ、ブラジル、オーストラリア、マレーシア、LA,フロリダ、テキサスなどなど、、、
会社では、社員のみんなからの誕生日ケーキ。
イギリスからは、見事な胡蝶蘭。
ベルリンからは、美しいひまわり。
友人からは、バルーンに、電動ナイフなどなど
私の誕生日を最高にしてくれた皆さまに感謝、
行動を起こした娘たちに感謝、
そして入国を許可してくれたマレーシアイミグレーション様に感謝。
心からのありがとうを送ります。
50歳の誕生日、イベントなんてなくたって、忘れる事の出来ない最高の1日となりました。
お別れの時は必ずやってくるから
人として生まれたからには死亡率100%である。いつか旅立つその日まで、大切な誰かを送る側になることもあるでしょうし、いつかは自分が愛する誰かを残し旅立つのです。
さぁ皆さん、今日一日をどんな風に過ごしますか?