自宅で葬儀は出来ますか?

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かつての葬儀場所とは?

若い世代に人たちにとっては、葬儀は葬儀会館でなくては出来ないと思っている人も多いようです。

コロナのこんな時期、どちらにしても家族葬を考えているから、ご近所の方の会葬は遠慮するつもりです。会館のような広い場所は必要ないと思っているので、自宅での葬儀を考えています。

実現可能ですか?

こんなご質問をいただきました。

私がこのお仕事に従事し始めたころは、自宅でのお葬儀は、まだまだありました。

15年から20年ほど前までは、自宅だけではなく、檀那寺(菩提寺)、地域にある集会場、公民館、マンションの中にある皆さんの共有スペースなど、様々な場所がお別れの場所となっていました。

それが、様々な理由と利便性を考えたうえで、葬儀会館に移ってきたのはまだまだ最近のこと。歴史としては浅いのです。

自宅での葬儀はこんなイメージだった。

葬儀会館に移行した大きな理由の一つは、自宅に多くの人(親戚やらご近所さんやら)が上がり込んできて過ごす時間の手間、

皆さんを迎えるためには、部屋をある程度片付けるという事前準備もある。予定をして、誰かを迎えるわけではなく突然の訃報の中でのこの大仕事。自宅を葬儀会場として、広いスペースを確保しようとすると、ほとんどの場合は大きなものを他の場所に移動して、無理やり場所を作る必要が出てきます。

台所にも多くの人が入ってきて、プライバシーなんてものはあったものじゃない。この対応に一番の苦労がかかるのは家を管理していた女性陣でした。作業だけではない、心の負担。当時は当たり前のことだったとしても、想像し共感することは簡単ではない。

このような大掛かりな準備を省き、負担の軽減のため、葬儀会館を選ぶようになったというのは、ある意味自然なことかもしれません。省かれてきたもの、軽減してもらえるもの、それらのために我々は存在しているともいえる。

葬儀の場所としてどこが相応しいのか?

他にも、お寺でのお葬儀、地域にある集会場(公民館)等、いったいどこがいいのか?

これに関しては、何を優先にしたいのか?によって決まってくると思います。

お寺での葬儀は、本堂が葬儀の場所となり神聖な空間とともに葬送の時を迎えることができるでしょう。お寺に貢献した方であれば相応しい場所の選択の一つとなるかもしれませんね。

地域の集会場(公民館)を選択すれば、地域の人は歩いて参列が可能です。地域活動が熱心だった人ならいいですよね。

では、現状の自宅でのお葬儀はどうか?

こんなケースがありました。

病院で余命宣告をされた後、最後までの時を自宅で過ごしたいと、訪問看護の先生の力を借りながら穏やかに最後までの時を過ごしました。

そして安らかに自宅での旅出ちを迎えたのでした。

故人様となられた方は、絵を描くのが趣味でしたので、自宅には生前描かれた作品、キャンパスがたくさん残っていました。

故人様のお嬢様は、

娘さん

家族が大好きだった父。ここで過ごした幸せな日々は宝物です。だからこそ、慣れ親しんだお家から送り出してあげたい

そんな願いをお持ちでした。

私たちが、ご自宅に伺った時に、一番印象に残ったのは、故人様の描かれた『ひまわり』の絵

yellow sunflowers

自宅を葬送の場として利用しよう

庭に向かって皆で手を合わせたい。父は庭が好きだったから。

white and brown wooden slide-door opened

何とかその願いも叶えることはできないか?

私たちは、一緒に考えました。

あいにく、部屋の構図上、庭に皆が向かって座るようには設置はできなかったものの、祭壇には『ひまわり』の花がぐるりと囲まれ、庭から差し込む光は『ひまわり』をより一層輝かせ、おだやかな日差しが部屋をいっぱいにしてくれました。

person holding yellow sunflower

当時、名古屋では、

『ゴッホ展』が開催されていて、私たちからお父様に『ゴッホ展』のチケットをお供えさせていただきました。

Vincent Van Gogh self portrait painting on wall

自宅は、葬儀場として相応しいかどうかは、故人となった方と送る方の思いにより決まるのだと思います。

他にもその方に合った場所があるかもしれません。

どんな些細なことも、私たちにお声をください。

私たちは、どんな時もその方々が生きていた背景にしっかりと目をむけながら、皆様の想いにしっかりとよりそい、願いを実現できるように全力を尽くしたいと考えています。

お葬儀からしばらく時が過ぎ、

お嬢さまから『ゴッホ展』は父と一緒に行ってきました。

man graphic painting

とご連絡をいただきました。

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“結んだこころ”に寄り添う葬儀を。稲沢市・一宮市・清須市のの【かとう】セルカホールです。

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この記事を書いた人

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加藤 京子

愛知県 稲沢市の葬儀社で生まれ3代目としてお葬儀の仕事に従事して25年になります。私が最も心がけているのは『皆様の生きるを応援すること』です。良いお葬儀とは何か?皆さまに寄り添いお手伝いしています。